なぜデザインには余白が必要なの?余白についてあれこれ

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紙面を見やすくすることに重点を置いた原稿作りをしたはずが、気付くとあらゆる余白に文字を詰め込んでいた、といった話をよく聞きます。

余白があると紙面がもったいないという気持ちになるようです。
からしてみれば余白をなくす方がよっぽどもったいないと思うのです。

なぜならば、見てくれる人が断然減るからです。

間(ま)と私たちの深い関係

昔の日本人は「間(ま)」というものを重んじていました。

でも、西洋的なものが主流になったことで、その「間(ま)」が意識されなくなったようです。
西洋文化から入ってきた大型家具やソファーやベッドなどは広い大陸の考え方で成り立っているので、すべてが日本の住環境に当てはめられるわけではありません。

それなのに西洋的なものを考えなしに家の中に詰め込んで、大量のもので溢れた家にギュウギュウ詰めで暮らしているというのが日本人の現状ではないでしょうか。

先日ネットニュースで、夫が妻に抱く不満アンケート第1位が「部屋を掃除して欲しい」だったという記事を読みました。

でも、部屋が汚いのはモノが多すぎて掃除のしようがないからです。

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余白が無ければ断捨離もできない

ちまたで話題の断捨離などは、まず最初に必要なものとそうでないものに分別していくのですが、その分別するスペースがそもそも確保できないのです。

なので断捨離もできず、結果、片付きません。片付かないので掃除ができないのです。

紙面も同じで、詰め込みすぎて余白がなく情報で溢れかえってしまうと、視覚的に汚い上に内容の整理がうまく出来ていないことがとても多いと気付きます。

読みづらいので何とかしたくて、もっと文字を大きくとか、もっと色を付けて目立つようにといった安易な方向に走り出して、なおのことグチャグチャになります。

そういうことをやり始めた時点で、すぐに内容の見直しが必要です。

そのまま続けても、絶対に見やすい良い紙面になることはありません。
見るだけで目がチカチカしてしまうような広告を、時間をかけて作るなんて、切ないですよね。

ありがたい余白

ある程度の「間(ま)」があり、そしてきちんと整頓された空間はとても居心地が良いものです。
それと同じように紙面にも余白があって初めて、見やすい、わかりやすい、読みたい広告になるのです。

私は、家に家具や雑貨を配置することと紙面に文字や写真を配置することは発想がほぼ同じだと思っています。

お家も紙面も、ぜひ程よい余白を!

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